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救いはどこ? 東野圭吾『白夜行』

Posted at Wed, 05 Apr 2006 in book

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)
東野 圭吾
集英社 / ¥ 1,050 (2002-05-17)
 
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普段あんまりハッピーエンドを求めているというわけでもないのですが、それにしても東野圭吾の小説は希望とかをものすごい勢いで叩き潰しすぎなんじゃないかと。そんな感想をいだきました。ドラマにもなった『白夜行』読了です。ドラマのほうは観てません。

話の途中から探偵が出てくるのですが、この人目線の文章が多かったせいなのか私はこの探偵にだいぶ感情移入して読んでしまい、だから彼の結末にだいぶ納得がいかなくてもどかしい…それで余計に暗い小説だと思ってしまうのかもしれません。

しかもさらにこの小説が売れていて、ドラマ化して、ドラマの評判もけっこう良くて、というのが私には良くわからない…みんなこういう救いようのない話が好きなんでしょうか?
それとも私にはそう見えないけれど実は救われている話なのか。物語としていうならぜんぜん意味がわからない…
昼ドラ的などろどろさ加減だったらまだわかるような気もするのですが、この暗さにはだいぶ閉口しました。

読みながら似ているな、と感じたのは石田衣良の『池袋ウェストゲートパーク』。たしか1巻だったと思うのですが、乱暴な少年とさみしがり屋の女子高生の関係となにか通じるものがあるような気がします。……といいつつ、読み返してみたらぜんぜんちがう物語だったりして。

東野圭吾はまだ2冊目ですが、『容疑者Xの献身』のほうが私は断然オススメです。



東野圭吾 『容疑者Xの献身』

Posted at Wed, 29 Mar 2006 in book

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身
東野 圭吾
文藝春秋 / ¥ 1,680 (2005-08-25)
 
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直木賞受賞作品で面白そうだったので東野圭吾の『容疑者Xの献身』を読了。ものすごいすわりのわるいヘンなタイトルだな~、と思っていたのですが、読んだらなるほどこのタイトルにしちゃうかも、と納得でした。でももうちょっと良い案はなかったのかなぁ。

それにしてもこの献身は哀しい。誰もむくわれることのない悲痛な献身なのです。読後感はだからあまり良いとは言いがたいのでした。

容疑者が尽くした理由もいまいちスッキリしないのですが、純愛カテゴリに入っていても違和感のないピュアな主人公だったので、思春期つっぱしり型犯罪ということにしておきたいと思います。
あんまり考えてもモヤモヤするだけなので、適当なところで打ち切りで。

すっきりはしてませんが、ミステリとしては文句なしに面白い作品でした。東野圭吾すごいなぁ。



『捨てる!技術』をとりあえず捨てる

Posted at Thu, 23 Mar 2006 in book

読む本に困ってなんとはなしに『捨てる!技術』を買ってしまいました。

ぱらぱらと読み始めて強面な文章を書く人だなぁ、と思ったけれど、30代前半和服の未亡人、みたいな文章で捨てる方法について語られても困るのできっと内容にあわせた文体でつづっているだけなんだろう。
タイトルにエクスクラメーションマークはいっちゃってるしね。

内容については特に目新しいところもなかったのですが、もしかしたらそれはこの人の『捨てる技術に関する教え』が人口に膾炙して知らず知らずのうちに洗脳されているからそう思うだけなのかも、という事実に思い当たりました。

……というか、そこまでおおげさなことはないとしても、2ch の『汚部屋から脱出したい』スレなんかをぼちぼち読んでいるうちに、間接的にこの本の内容についての知識を得てしまったような気がします。

そう考えるとやはり影響力はすごい。
そしてこの本はもう学ぶところもなさそうなので捨てられます。


個人的には『捨てる!技術』よりも役立つと思う、『汚部屋から脱出したい』スレッドのまとめサイトはこのへんに

汚部屋から脱出したい!まとめ @Wiki - トップページ
http://www9.atwiki.jp/clean2ch/
汚部屋から脱出したい!スレまとめ - livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/clean2ch/
汚部屋スレまとめちゃいました
http://clean.s54.xrea.com/x/


映画より映画らしい『ダ・ヴィンチ・コード』

Posted at Tue, 21 Mar 2006 in book

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)
ダン・ブラウン
角川書店 / ¥ 580 (2006-03-10)
 
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電車で読む本を買おうと思って本屋に入ったら『ダ・ヴィンチ・コード』が文庫になっていたので読んでみました。上中下巻の3分冊です。

読んでみると映画化したくなる気持ちがとてもよくわかります。小説自体がとても映画っぽい。ハリウッドの。私は俳優や監督にあまり詳しくないのですが、詳しい人ならきっとマイキャスティングがあったりマイ日本語版吹き替え声優がいたりマイ監督がいたり…とにかくイメージにあてはめてしまいそう。そんなテイストの小説でした。

ストーリーは要は宝探しなのですが、一貫して暗い話です。暗いというのは話が暗いというのではなくて、画面が暗い、場面が暗い。間接照明がうまく使われていて、それが一番映画っぽい印象を受けた理由かもしれません。

読んでいる最中はずっと脳内上映中です。映画を観るとしたら、それは確認というか比較というか、そういう行為になりそうな予感がします。

ところで私はダ・ヴィンチがわりあいと好きで、多分この話も『ダ・ヴィンチ・コード』というタイトルじゃなかったら買わなかったかもしれないと思うのですが、ダヴィンチ露出少なめです。控えめです。たしかにキーパーソンなのですが、主役級とは言いがたい。

というわけでタイトルは『ジャック・ソニエール・コード』とするのが良いのではないでしょうか。

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)
ダン・ブラウン
角川書店 / ¥ 580 (2006-03-10)
 
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ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)
ダン・ブラウン
角川書店 / ¥ 580 (2006-03-10)
 
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佐藤雅彦『四国はどこまで入れ替え可能か』

Posted at Tue, 31 Jan 2006 in book

作者の佐藤雅彦氏はあの「だんご3兄弟」の生みの親です。NHK で放映されたアニメーションを覚えている人も多いでしょうか。

「ねっとのおやつ」という名前でインターネットで公開されていたちいさなアニメーションをそのまま CD-ROM にしたのが「ねっとのおやつ」CD-ROM 版ですが、これはその「ねっとのおやつ」の絵コンテを元に新しく制作されたものです。
ハードカバーのときは同名のタイトルだったのですが、文庫になるにあたってちょっと目を引くこのタイトルになったそう。その理由はあとがきに詳しく書いてあります。

全編イラストでかわいかったりおかしかったりして、するする読めてしまいます。佐藤雅彦さんの面白さには「すぐ見てぱっとわかるおもしろさ」「なんとも絶妙なかわいらしさ」「んー? あっ! ってちょっと考えないとわからないようなおもしろさ」「おもしろいなー、と思っていたらある日突然第二波のおもしろさが襲ってくるおもしろさ」などなどいろんなバリエーションがあるのですが、それがちょこっとずつ丁寧に個包装されて詰めあわされている、ちょっとうれしいおやつです。



畠中恵『ぬしさまへ』

Posted at Thu, 26 Jan 2006 in book

ぬしさまへ (新潮文庫)

ぬしさまへ (新潮文庫)
畠中 恵
新潮社 / ¥ 546 (2005-11-26)
 
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『しゃばけ』の面々が登場する話の続きを読みたいけど短編がいいな~、と思いながらもう一冊畠中恵を買ったら、続編『ぬしさまへ』は短編集でした。これくらいの長さのほうが読みやすいしすっきりしていて私は好きです。
相変わらずぼんぼん一太郎とお供の妖(あやかし)たちが事件に巻き込まれたりするわけですが、別の視点の話やタイプの違う物語もあったりするのでなかなかにお得な感じで楽しめました。

妖怪が当たり前のように身近にいる物語、ということで今市子『百鬼夜行抄』にも通じるものがあるように思います。
こちらは現代モノで、コミックなのですが『人ならざるもの』たちのどこかとぼけたテイストが良く似ているのです。主人公に助さん角さんがついているところも一緒。



松村栄子『僕はかぐや姫』がセンター試験の現国に

Posted at Wed, 25 Jan 2006 in book

今年のセンター試験の現代文に『僕はかぐや姫』が出たときいてけっこうびっくりしてしまいました。

以前に山田詠美が出たときも「山田詠美!?」と驚いたのですが、今回は驚き半分、嬉しさ半分。
高校時代に大好きだった作品なのです。

僕はかぐや姫 (福武文庫)

僕はかぐや姫 (福武文庫)
松村 栄子
福武書店 / (1993-12)
 
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あわせてもう一冊、好きだったのが『至高聖所』。これは舞台になっている都市のモデルになった(であろう)場所に住んでいたことがあるのですが、あれこれ想像しながら小説の中のシーンとダブらせて街を眺めた覚えがあります。

今リンクを張るためにAmazonで検索して気がついたのですが、版元の福武書店が出版事業をやめてしまったのでもう新刊では入手できないんですね。
古本屋で探してみてください。