朝寝して宵寝するまで昼寝して時々起きて居眠りをする
渋谷のApple Store で MacBook をあずけ、3時間ほどで作業が終わるというので、さてなにをしようかと店を出たら、ちょうど隣(か、その隣)ぐらいの建物の地下に、「マリアの心臓」という表示があったのでそのままそこに吸いこまれました。
「マリアの心臓」はドールミュージアムですが、特に球体関節人形などが充実していると聞いていて一度は行ってみたいと思いつつなかなかタイミングがないままでいたところ。
行ったときはちょうど「少女美學展」が開催されていて、入場料は\1000円でした。
恋月姫や天野可淡などの作家の作品から、古いアンティークのビスクドール、市松人形などが沢山展示してあり、スペースの割に見応えは十分。とくに人形によっては(美術館での展示のように)ケースにも入らず、柵もなく展示されていたので、人形にそれこそ触れるぐらいまで近づいてみることが出来たのがものすごく良かったです。
飲み物が飲めるかんたんなスペースもあったので、人と行くときはそこで人形に囲まれながらお喋りができたら楽しそうだなと思います。
Shopコーナーであれこれ悩んだあげくに、恋月姫という人形作家の写真集を一冊購入。
Apple Store にいったおかげで思わぬ別次元に行ってくることが出来ました。
友人に誘われたので、森美術館でやっている『医学と芸術』展に足を伸ばしてきました。たぶん1人では行かなかったであろう展示だったのですが、これがなかなか侮れず面白い。以前緻密な植物図の展示に行ったことがありますが、それを思い出しました。学術用途のための記録、スケッチや標本が覚えず芸術と呼ばれるにふさわしい領域に達している。そういったものを集めた展覧会です。
会場の各所で注意書きがされているように、生々しい展示がないことはないので、そういうものが苦手な人にはおすすめできませんが、精巧に作られたミニチュアドールの人体模型(内蔵がパーツごとに分かれて外れるようになっている)なんかは熱心なマニアなんかもいたそうです。さもありなん、という出来映えでした。自分で欲しいとは思いませんでしたが。
医学という方向付けしかされていないので、レオナルド・ダ・ヴィンチの解剖図から最新の歩行補助器具、甥をテーマとする現代アートまでありとあらゆるものが展示されています。芸術というフィルターから医学をのぞく面白い展覧会でした。
六本木ヒルズにある森美術館は入場チケットを買うと美術館だけでなく展望台がおまけについてくるので、それを考えるとそんなに高い値段でもないんじゃないかと思います。
2009年11月28日(土)〜2010年2月28日(日)
森美術館(東京都港区六本木)
一般1500円
間接照明ではありません。暗闇を楽しむための明りです。
かないいちろうの植物ランプ展に去年に引き続き行ってきました。
会場は去年と同じ神田のアスクエアギャラリー。
極限まで絞られた照明のもとに、かない氏の作品が所狭しと陳列され、あたたかい光に満ちみちていました。
この個展では去年も買いものをしたのですが、今回も替え玉を2つ購入。2000円なり。
2007.12.8−23 /11:00-7:00 /日、祝〜5:00/ 月曜日休廊/ アスクエア神田ギャラリー
しばらく前のことですが、ストリングラフィという謎の楽器…ミュージックパフォーマンスとでも言った方が正確なのかな。とにかく世界にここでしかやってない、という不思議な楽器のコンサートに行ってたのですが、これがとても良かった〜。2ヶ月連続で行ってきました。とても素敵な楽器です。
私は弦楽器が好きで、たとえばクラシックだとバイオリンの音なんかはかなり好きなのですが、ストリングラフィは絹糸(バイオリンで言うところの弦)を手でこするのです・・するとバイオリンを弾くのと似たような原理で音が出る。で、バイオリンなんかはもう完成してしまっている楽器なわけです。何百年とかの歴史があって、奏者がいて、奏法も決まっているのだと思うのです。
でも、ストリングラフィはまだ10年ちょっとぐらいの生まれたての楽器です。それはものすごく良い意味で未完成ということ、可能性がたくさんあるということじゃないでしょうか。実際コンサートに行ってみると、どうやって出しているのか想像もつかないような音色を聴くことができます。
コンサート会場はそれほどひろくないので、そのぶん音楽を体全体で味わうことができました。曲目はみんなが知っているようなポピュラーなものからクラシックの名曲、そしてオリジナル曲も・・・耳慣れた音楽はもちろん楽しいのですが、その楽器のためのオリジナル曲、というのが楽器の音を一番楽しめるような気がします。
コンサート情報はホームページに随時更新されているので、興味があればぜひ体感してみてください。デモ動画もあります。
ネットで見かけた写真に一目ぼれして『かないいちろうの植物ランプ』展を観に神田へ。最寄り駅もちゃんと調べずに電話してみると、どちらから来ますかと訊かれて、じゃあ千代田線に乗り換えて新御茶ノ水駅の○○出口で降りてまっすぐですよ、と丁寧に教えてもらえてすぐにたどりつきました。
会場の中は照明が落としてあっていたるところに植物のランプ。「植物の形の」ランプではなくて、乾燥させた植物それ自体をシェードにしてあるランプなのです。
天井からつるしてあるカラスウリと繭のランプがとても素敵でぐるぐる眺めてしまいました。他にもオクラやハス・名前も知らないようないろんな植物がふしぎにやわらかな陰影を会場のあちこちに落としています。
会場の作品は購入できるのですが、隣の小部屋にもスタンドとランプシェード(植物の)が沢山用意してあって、好きな組み合わせで買えてしまう!のです。そんなつもりなんてさっぱりなかったのにいろいろ組み合わせ始めたらとまらなくなって、結局スタンドとランプシェードを2つ、買ってしまいました。新しい電池をつけてもらって 4,200円。
私は土曜の夕方に行きましたが、お客さんの中にMixiで見たという女性が2人来ていました。良いものはネットを介して伝わっていくのかな。
それほど広くない会場ですが、気がつくと時間がたっているので、少し時間の余裕を見ていってみてください。買いたいと思っているならなおさらです。2006年12月23日までアスクエア神田ギャラリーにて。
西野達展『天上のシェリー』の評判がとてもいいので、銀座のメゾンエルメスまで行ってきました。
ものすごく丁寧にタイミングをはかってドアを開けてくれたドアマンに誘われて、エルメスの店内へ。ビルの一番上なのでどんどんどんどん上に上ってゆかなければならないのですが、最後の方なんて鉄骨は見えてるし防護布はってあるしすごい怖い。工事現場の足場そのものという感じです。
で、ようやく会場の入り口につくと、靴を脱いでください、といわれて裸足であがる。なんか友達の家に遊びにきたみたいだな・・・と、まさにそんなイメージの展示でした。友達、かなりおかしかったですけど。馬に乗ってるし。両手に旗たててるし(旗の布の部分はエルメスのスカーフらしい)。馬ごとベッドの上に乗ってるし。・・・・・・そのnon・noは君が読むの?
結局そこで私が見たものがなんだったのかいまだに良くわかりません。混乱していろいろな情報をつきあわせてみると、どうも彼(馬に乗った花火師)はいつもそこにいるんだけど、本当は野ざらしで、今はたまたま部屋の中に入っている、ということのようです。つまり彼を部屋の中に入れたというのが西野達の展示、ということのようでした。
ようでした、とまとめてみても、それがすごいことなのかただの阿呆なのかはよくわからないんですが。しかしものすごくあっけにとられた、ということだけは確かです。
会期は8月31日まで。詳細はこちらにあります。
実家からの帰り道、新幹線のなかで他にすることもなくBloglines Mobileをチェックしていたら植田正治の展覧会が恵比寿でやっているということで寄っていくことにしました。
植田正治は写真家。亡くなったのは少し前。鳥取砂丘や自分の家族なんかをモチーフにしつつ、ものすごくモダンな写真を撮っている…という断片的な情報をなぜ持っているかというと、鷲田清一氏の著書のうちの1冊が彼との共著だったからです。
入場料金は大人500円。点数もそれほど多くはありませんでした。展示ホール2部屋分。
物足りないと言えば少し物足りない感じです。もう少し…砂丘モードシリーズなんかを見たかったなぁ。
この人の写真を見るといつも「被写体と写真家の関係」について考えてしまいます。写真家はなにを、どういうふうに指示したのか。あるいはしなかったのか。この写真は偶然撮られたものなのか……それとも綿密な計算のもとに取られたのか…それがさっぱりわからない写真がとても多いのです。
これが絵画だったら、おそらくそれは「そうなるように配置」されたというだけのことだと思うのですが、なまじ写真であるために、この人物のこの表情をどうやって撮ることができたのだろう、ととても不思議に思います。
たぶん、よられた写真の背景にはその何十倍とも何百倍ともしれない写真があるのではないでしょうか……他の写真家がそうしている以上に。
そうして、奇跡のような一瞬の連続だけを差し出されるから、私はこの写真家に敬意を表してやまないのではないかと、今はそう思っています。