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Mon, 15 Mar 2010

内田樹『日本辺境論』

Posted at Mon, 15 Mar 2010 in book

日本辺境論 (新潮新書)

日本辺境論 (新潮新書)
内田 樹
新潮社 / ¥ 777 (2009-11)
 
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日本辺境論』。この本は、私が書店をうろうろしていたときに、「内田樹」というキーワードからもってして入手に至った本です。この著者は現在大学の教授で、ブログを書いています。私はこのブログをたまに読んでいてこの人の書く文章はそれなりに面白いと思っており、かつ既刊も数冊読んで面白かったから、という理由でこの本を買いました。

そんな軽い気持ちで手に取った一冊です。そうしたら、なんと中央公論新社が主催する「新書大賞」の第3回大賞に選ばれていた。これはさっさと読んでおいたほうがいいんじゃないか、つまり、旬の本を旬のうちに読んでおこうと思ったので慌てて電車の中の時間を利用して読みました。だからじっくりと時間をとって通読というのはできていません。でも付箋はいっぱい貼ってあります。

この本はタイトルで「日本人とは辺境人である」と、結論の70%ぐらいを言ってしまっています。残りの30%はこの新書の23頁、11行目からページの終わりのあたりまでに書いてあります。結論だけわかればいいや、という場合はここだけ読めば大丈夫なんじゃないかと思います。本当にシンプルなこの数行がこの本の主題です。

にもかかわらずこの本は247ページ目まで挿画のひとつ入るわけでもなく文章が詰め込まれています。それは何かというと、内田先生の言葉を拝借するなら「放っておくとすぐに混濁してくる世界像」の「毎日」の「補正」であり、それをさらに例えてしまうと「雪かき」や「どぶさらい」のような、作業である、という。「辺境性」という日本人にとっての「宿命」に対して何とか五分の勝負に持ち込むために「明察を持ってそれを俯瞰」するための手助けをしてくれる本なのだと思います。

ひとつの主題について様々なスケールで論じているという体の本なので、ものすごく乱暴なことを言ってしまえば金太郎飴のようにどこを読んでもちゃんと同じ結論「しか」書いてない。
貼ってある付箋をぱらぱら見返してみると(表現が面白い部分なんかにも貼ってあるのですが)ここはわりと重要なことを言っているような気がする、という部分にだいたい貼っていますが、これがわりとばらけてます。つまり別に最後に特別に重要なことが書いてあるというわけでもありません。ですが、面白かったので最終章をオススメします。本屋さんで手に取るときは23ページ目を読んでから最終章に目を通してみてください。もちろん、他の章がつまらなかったということではないので安心して購入していただいて大丈夫です。(あなたにとってつまらないかどうか、というのは私の範疇外ではありますけれど)

日本辺境論 (新潮新書) 日本辺境論 (新潮新書)
内田 樹
新潮社 (2009-11)

先生はえらい (ちくまプリマー新書) 先生はえらい (ちくまプリマー新書)
内田 樹
筑摩書房 (2005-01)

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