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Tue, 26 Jan 2010

谷崎潤一郎『細雪』新潮文庫刊

Posted at Tue, 26 Jan 2010 in book

細雪 (上) (新潮文庫)

細雪 (上) (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 / ¥ 540 (1955-11-01)
 
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細雪 (中) (新潮文庫)

細雪 (中) (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 / ¥ 620 (1955-11-01)
 
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細雪 (下) (新潮文庫)

細雪 (下) (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 / ¥ 700 (1955-11-01)
 
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十年くらい前に読んだのを引っぱり出してえいえいと読んでいたのがようやく読了。以前読んだときは見合いばかりしている話だという印象が強かったのですが、読み返してみるとそこまで多くはなく(それでも少ないということはないけれど)、どちらかというと幸子、雪子、妙子の、四姉妹の内の三人の女たち(残りの一人は長女の鶴子ですが他の三人と比べてあまりに出番が少ない)の人間らしい生々しい生態を、きらきらしい出来事や雅やかな衣をまといつけつつもどこか執念深い筆致でもって綴っていて、同じ作者の『』などにも通じるようなものがあるような感想を持ちました。

というのは物語の冒頭から語られる姉妹の『B足らん』(ビタミンB欠乏症)であったり、幸子の妊娠であったり、見合いの度に取りざたされる雪子の目の縁のシミであったり、さらには幸子の娘の悦子の猩紅熱や妙子の大病であったりするのですが、彼女たちの身体のことについて実に事細かに書かれています。たぶんこれを年表にでも書き付けながら読むとそれはそれでおもしろくもなりそうですが、年に似合わぬ若作りで華やいだ旧家の姉妹をこの世に誕生させておいて、金襴緞子の絵巻物ですまないところがこの小説のひと癖もふた癖もあるところではないかと思います。

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