朝寝して宵寝するまで昼寝して時々起きて居眠りをする
作者の佐藤雅彦氏はあの「だんご3兄弟」の生みの親です。NHK で放映されたアニメーションを覚えている人も多いでしょうか。
「ねっとのおやつ」という名前でインターネットで公開されていたちいさなアニメーションをそのまま CD-ROM にしたのが「ねっとのおやつ」CD-ROM 版ですが、これはその「ねっとのおやつ」の絵コンテを元に新しく制作されたものです。
ハードカバーのときは同名のタイトルだったのですが、文庫になるにあたってちょっと目を引くこのタイトルになったそう。その理由はあとがきに詳しく書いてあります。
全編イラストでかわいかったりおかしかったりして、するする読めてしまいます。佐藤雅彦さんの面白さには「すぐ見てぱっとわかるおもしろさ」「なんとも絶妙なかわいらしさ」「んー? あっ! ってちょっと考えないとわからないようなおもしろさ」「おもしろいなー、と思っていたらある日突然第二波のおもしろさが襲ってくるおもしろさ」などなどいろんなバリエーションがあるのですが、それがちょこっとずつ丁寧に個包装されて詰めあわされている、ちょっとうれしいおやつです。
サーバ動作型のRSSリーダが今は無料で使えるということ自体にはあまり興味もなかったのですが、 Bloglines の代替となるときいて Fresh Reader をさくらのレンタルサーバ・スタンダードにインストールしてみました。
最初にインストールしたときはさっぱり動かなくて、あれ? と思ったのですが、Linux 版をインストールしていただけというオチでした。さくらは FreeBSD なので FreeBSD 版をインストールするとちゃんと動きます。
インストールはこんな感じで特に難しい手順も必要ありませんが、レンタルサーバだと権限などの関係で動かないことがあるのかも。
wget http://www.freshreader.com/archive/sffr10bbsd.tar.gz tar zxvfp sffr10bbsd.tar.gz cd freshreader chmod 700 db rm sffr10bbsd.tar.gz
唯一初めてだったのが CRON の設定。1時間おきに巡回して新着データを取ってきてくれるようにしました。よくわからないままにサーバのコントロールパネルから適当に設定。
無事に動くようになったらログインユーザを追加し、システム設定-基本情報の設定でログイン方法を「ログインIDとパスワードを入力」に。それから Bloglines からエクスポートした OPML をそのままインポートで完了です。
ちなみに CRON が使えなくても、無料で巡回してくれるオプションがあったり、インストール方法がわからなくても自動でインストールしてくれる機能があったりとサポートが充実しています…というのは将来的には有償になるからなのですが。ちなみに一般ユーザだと 3000円/1人。
私みたいに Web 用のレンタルサーバにインストールして1人で使うというのはどちらかといえばイレギュラーな使い方で、イントラネットなどにインストールして社内や組織内などで使うというのが主だった利用方法じゃないかと思います。
で、基本機能である RSS リーダーとしての使い勝手もわりあいといい感じです。 Bloglines を使っていた人なら特に迷うこともなさそう。
Bloglines と比較して私が気になるのは以下のポイントです。
一番下のは利点だというひともいると思うのですが、あんまりたまるとげんなりしてしまうので制限つきでいいや、と思ってしまいます。
あとはまだ携帯版の機能をチェックしていないのでそちらの使い勝手にもよりますが、いずれまた Bloglines に戻ってしまいそうです。無料だし。
『しゃばけ』の面々が登場する話の続きを読みたいけど短編がいいな~、と思いながらもう一冊畠中恵を買ったら、続編『ぬしさまへ』は短編集でした。これくらいの長さのほうが読みやすいしすっきりしていて私は好きです。
相変わらずぼんぼん一太郎とお供の妖(あやかし)たちが事件に巻き込まれたりするわけですが、別の視点の話やタイプの違う物語もあったりするのでなかなかにお得な感じで楽しめました。
妖怪が当たり前のように身近にいる物語、ということで今市子『百鬼夜行抄』にも通じるものがあるように思います。
こちらは現代モノで、コミックなのですが『人ならざるもの』たちのどこかとぼけたテイストが良く似ているのです。主人公に助さん角さんがついているところも一緒。
今年のセンター試験の現代文に『僕はかぐや姫』が出たときいてけっこうびっくりしてしまいました。
以前に山田詠美が出たときも「山田詠美!?」と驚いたのですが、今回は驚き半分、嬉しさ半分。
高校時代に大好きだった作品なのです。
あわせてもう一冊、好きだったのが『至高聖所』。これは舞台になっている都市のモデルになった(であろう)場所に住んでいたことがあるのですが、あれこれ想像しながら小説の中のシーンとダブらせて街を眺めた覚えがあります。
今リンクを張るためにAmazonで検索して気がついたのですが、版元の福武書店が出版事業をやめてしまったのでもう新刊では入手できないんですね。
古本屋で探してみてください。
江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに……。
ジャケ買いならぬ表紙買いをした畠中恵の『しゃばけ』読了です。
文章がとても平易で読みやすいので普段時代小説はちょっと…というような人でもおきらくに楽しめる作品じゃないかと思います。ファンタジーノベル大賞の作品というせいでしょうか、平坦な軽さがあります。これはどこまでものんびり極楽蜻蛉な主人公、一太郎に由来するものかもしれません。
一太郎のすっとぼけたノリが楽しくてけっこうはまって読んでいたのですが、彼はけっこう現代人に近い感覚を持っているように感じました。ぬくぬくと恵まれていて、本人は真剣なつもりでもいまいち真剣みが足りない。でもそこが一太郎のキャラクターでもあったので、終盤一太郎が本気になってしまったときはなんというか…ちょっとがっかりしてしまいました。
まぁそうでなければ物語は終わらなかったと思うのですが。
個人的には改発和美さんにこの小説を漫画化して欲しいと思います。心の中で勝手に挿絵を入れながら読んでました。
旅行の写真をアルバムっぽく表示するのに良いツールがないかな、と思って探してみたのですが、しっくりくるものを見つけることができなかったので Blosxom を改造して作ってみました。
以下の記述は Blosxom Startar Kit を設置して使っているような人でないとわからないかもしれません。
用意したものは以下の通り。
まず、説明書を見ながらBlosxom Startar Kit をインストール。
それからアルバム用にいろいろ改造していきました。
ページとしては、「サムネイルページ」と「個別の写真のページ」を作ります。
個別の写真のページについては、イメージタグがひとつだけでタイトル行が空白のテキストファイルを写真と同じ枚数だけ作成して、これを記事ファイルフォルダに投入。このファイルの日付は写真を撮った日に設定しておきます。ファイル名は写真と同じです。(001.txt, 002.txt ...)
テンプレートにはコメント機能だけを残してあとは削除すると写真ごとのページは完成。
サムネイルページ作成のために、まず Irfanview の一括変換機能を利用してサムネイル用の画像を作りました。一覧ページのテンプレートをイメージタグだけにして、サムネイルの画像を表示するように変更。
そのままだと日付の逆順で表示されてしまうので sort_by_path プラグインを導入しました。
改造後のサムネイル用 story.html テンプレートはこんなんです。
<a href="$url$path/$fn.htm"><img src="http://(画像へのパス)/img/s/$fn.jpg" width="100" height="75" /></a>
あとはスタイルシートを好きなようにいじれば、ものすごい突貫工事ながらどうにかアルバムっぽい体裁が整います。
使用を始めて1ヶ月…いろいろと不安もありますが、とりあえずえいやとハードに切り替えてしまいました。
切り替えるときにもやっぱり「目にいいですから~」と言われました。眼球につきささってくるような装用感からはとてもそう思えないのですが、でもやっぱりいいらしいです。
ごろごろ感はつけているうちにけっこう慣れて気にならない時のほうが多いようになりました。
一番最初にコンタクトを始めたときにソフトレンズをにした理由は使い捨てがあるのがソフトだけだったからです。絶対になくす、と思って使い捨てにしました。
なので目下の不安はいつ1枚目をなくしてしまうだろう、というところです。
ハードも使い捨て出してくれるといいんですけどね…。
あと使い捨ての利点はもうひとつあって、間抜けな利点ですが、左右を間違えても新しいやつをおろせばもとどおり、というのがあります。けっこう間違えやすいのでもっとわかりやすくなるといいんですが。
蔵書の管理(というか登録)にはずっと 本棚.org を使っているのですが、サーバが重かったりメンテナンスがそう頻繁ではなかったり、いまいち痒いところに手が届かない感があります。
で、別のサービスはないかとあれこれ比較検討したりしてみたのですが、あまり用途にあっているものがない……と思っていたところで、Linkage Note ! さんの新年のエントリに気になる記述を見つけました。
システムのイメージは、Firefoxにインスパイアされてみて、シンプルだが充実した機能+モジュールによる拡張。基本機能は既存の本棚サービスベースのものにプラスしてこんな感じ。
- アイテムの追加はISBNかキーワード、もしくはオンライン書店上から
- 並び替え・検索機能の充実(新書だけ表示したい・・とか)
- 条件にあった本棚をプレビューできるスマートブックシェルフ(スマートプレイリストのパクリ)
- サムネイルサイズの変更をAjaxでlook&feelに(e.g fluxiom)
- 綺麗なサムネイル(重要)
- ステータス(積ん読中・読書中・購入予定・借り物・貸し出し)の設定機能
これが実現したらものすごい嬉しいなー。しかもオープンソースで。カスタマイズ可能で。
年末ぐらいに本棚システムについてぼんやり考えたりしていました。主に「ソーシャル」という部分は本棚に必要なのかというあたりについて。
で、ソーシャルで嬉しいこともいっぱいあるけど「サービス」として提供されてしまうとデータは向こう(サービス提供側サーバ)が持っているっていうことだしサーバダウンとかサービス停止とかの危険性を常に持っているので、できれば自分のところで運用したい。でもWebベースがいい。Amazon とかとも連携したい。そしてやっぱりソーシャルな部分もあって他の本棚と連携できたりすると嬉しい……それって本限定のBlogなのでは?というところに話がオチました。
データ形態…というかデータの見せ方としてはBlogの「記事が個別に存在」(本1冊ごとのページが存在)して「好きなように一覧で見せられる(月別とかカテゴリ別とか)」とかが参考になるし、RSS とか SOAP とか API とかを使って、あるページで一元的に情報を見られるといいと思う。そして検索したり同じ本の書評が1ページで見たりしたい。全部の本棚を串刺しにしたい。
Linkage Note ! さんは 既存の「本棚システム」と「書店」がもっとうまい具合に融合しないか、ということをおっしゃっていて私もそれは便利だろうと思うのですが、融合という点で見るならば「個別に持っている(運用されている)本棚システム」同士がシームレスに連携するようなシステムもあると便利だなぁ、と思うのです。
実家からの帰り道、新幹線のなかで他にすることもなくBloglines Mobileをチェックしていたら植田正治の展覧会が恵比寿でやっているということで寄っていくことにしました。
植田正治は写真家。亡くなったのは少し前。鳥取砂丘や自分の家族なんかをモチーフにしつつ、ものすごくモダンな写真を撮っている…という断片的な情報をなぜ持っているかというと、鷲田清一氏の著書のうちの1冊が彼との共著だったからです。
入場料金は大人500円。点数もそれほど多くはありませんでした。展示ホール2部屋分。
物足りないと言えば少し物足りない感じです。もう少し…砂丘モードシリーズなんかを見たかったなぁ。
この人の写真を見るといつも「被写体と写真家の関係」について考えてしまいます。写真家はなにを、どういうふうに指示したのか。あるいはしなかったのか。この写真は偶然撮られたものなのか……それとも綿密な計算のもとに取られたのか…それがさっぱりわからない写真がとても多いのです。
これが絵画だったら、おそらくそれは「そうなるように配置」されたというだけのことだと思うのですが、なまじ写真であるために、この人物のこの表情をどうやって撮ることができたのだろう、ととても不思議に思います。
たぶん、よられた写真の背景にはその何十倍とも何百倍ともしれない写真があるのではないでしょうか……他の写真家がそうしている以上に。
そうして、奇跡のような一瞬の連続だけを差し出されるから、私はこの写真家に敬意を表してやまないのではないかと、今はそう思っています。
セカチュウ、イマアイ、電車男、春の雪、ときて純愛ブームに続く映画はこれしかないと思います。
「あらしのよるに」。
あらしのよるに、真っ暗な小屋の中で出会ったた子ヤギのメイとおおかみのガブ。お互いに相手がヤギ/オオカミだと信じたまま、二人は闇の中で自分と相手がそっくりなことにおどろきながらも親交を暖めます。そして嵐はやんで、二人は翌日また会うことを約束してから互いの住む山へと帰っていきます。明くる日再会した二人はお互いの正体を知ってびっくりしますが、嵐の夜に育てた友情は食う・食われるの関係ぐらいで壊れたりしないのでした。
というわけで一応友情のストーリーと銘打ってはあるのですが、その密度はもはや愛情クラス…Like ではなくて Love の物語なのです。
映画を見ながら私は思わず余計な心配をしてしまいました……この映画(童話)を見て育った子どもたちがこの2人の関係を基準にしてしまわないだろうか、と。
古いところで言えば要するに「ロミオとジュリエット」的な結ばれてはいけない2人の物語なのですが、人間同士だとさすがに食物連鎖の関係は発生しないわけで……映画を見ているとこの子ヤギが本当においしそうに見えてしまうので、オオカミのものすごい忍耐力に驚嘆してしまいます。そして子ヤギののほほんっぷりにちょっとハラが立つのです。
食べようか、食べるまいか……恋愛においてこんなクエスチョンが見られる映画はたぶんこれだけだと思います。ここで食べればお腹いっぱいになる。ここで食べれば生き延びることができる…でも食べちゃったらこの「ひみつのともだち」はもう世界のどこにも存在しなくなる……。
映画館に行くとお子様がにぎやかな場合もあるかもしれないのでビデオで借りるのがいいかもしれません。
おすすめです。
多少出遅れましたが、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
良い一年になりますように!
元旦は善光寺へ初詣に行ってきました。
曇りがちの雪国にしては嬉しくなるようないいお天気。
参拝客の列の脇になんだか長い列があるな~、と思ったらおみくじです。
私も並んでしゃかしゃか振ってきました。
吉でした。
それにしてもおみくじって、どこでひいてもだいたい似たような紙に似たような印刷で出てきます。
書いてあることは古いけれど紙は新しいし印刷もぴかぴかなのでもちろんどこかで作られているはず。
今年の運勢もそうですが、おみくじ業界の謎も気になる年頭でした。